二週間前のまだ明るい夕方の事。
買い出しに外へ出ると会社の目の前の道路の上で
何かが動いているのが目に入りました。
ちっちゃい毛玉のような生き物で
付いてる尻尾を見るとネズミのようです。
でも、追いかけてもネズミのように走りません。
トコトコ、といったおぼつかない足取りで
頭が大きくて、その後姿は尻尾を除くと
カワウソの赤ちゃんみたいなシルエット。
背中をツンと突っつきましたが、歩く速度は変わりません。
その内、目の前の草むらにノソノソと入っていきました。
ネズミ、なのか?と思いましたが
私の中の野良ネズミのイメージといったら、
でっかくて毛がゴワゴワベタベタでやたらすばしっこい・・・
とても人間に背中を突かれるような鈍くさい生き物じゃない、というイメージ。
私には判断が付かなかったので
『ネズミみたいだけどネズミじゃない何かがいる!』
と生き物博士(?)の社長を呼びました。
草むらを掻き分けると、まだその生き物はそこいました。
じっと見つめても動くこともせず、ただただ丸まっています。
歩いているのを見た時の印象よりもあまりに小さい。
赤ちゃんかなぁ、もしネズミだったら菌が付いてるかもしれないよなぁ
と思っている私を他所に
『かわいい~(・∀・`)』
と何の迷いもなくその子を手に取る社長(ハムスター飼育経験有り)。
さすがに逃れようと少しダッシュしたものの
社長が両手で覆い隠すと、あっさりおとなしくなるネズミのような生き物。
小さいし、やっぱりまだ子供みたいです。
顔を見るとめちゃくちゃ可愛いくて
毛がファーアクセサリーのようにふわっふわです。
こんな可愛い子があの汚いイメージの害獣ネズミなわけがない!
鼻先も丸っこいし、足も大きいし、
これはスナネズミとか、トビネズミとか
近所の誰かのペットなんじゃあるまいかという結論に。
しかしながら近所の人に聞くも『そんなの飼っていない』と言われ、
仕方なくネットで検索すると・・・
やっぱりこの子は害獣指定のネズミの子供でした(おそらくクマネズミ)。
色々調べると、ネズミが持っている菌や病気についての記事もたくさん出てきます。
それを読むだに飼う事は困難なのがわかります。
でも物凄く可愛いのです。
目が開いて間もないのか、このうるうるした瞳・・・。
今夜は寒いし、何だか弱っているのか震えてるし、と
取り合えず空いていた虫かごに入れて、一晩だけ保護する事にしました。
クッキーの欠片やナッツ類の欠片などを与えてみると
両手で持って無心に食べるこの姿。
かわいい~~(涙)
リンゴジュースをストローで与えるとそれも両手で持って飲みます。
かわいい~~~~~~(涙)
ほんとにまったくどうしましょう・・・。
頭の中がこの子ネズミでいっぱいです。
東京に来て初めて見たネズミといったら小さめの猫くらいの大きさで
山手線の線路付近を矢のような速さで走っていて、
あまりの迫力に驚愕したのを覚えています。
全然可愛くないし、むしろ憎たらしいくらいの逞しさ。
それの子供がまさかこんなにも可愛いとは。
触った後には念入りに手洗い消毒をしなければいけないのに
何とかしてこの子を体力付くまで保護しておけないものかと考えてしまいます。
次の日も食べ物を与えてみましたが、
弱っているのか寝てばかりいて食べませんでした。
リンゴジュースは鼻先にストローを近づけると一生懸命な様子で飲みました。
自分でご飯も食べれないような、こんなか弱い状態で
一人で生きていけるのかと、外に放す決心も鈍ります。
考えてみたらネズミは集団で生活する生き物。
この子は目が開いて間もない幼さで親と逸れてしまったんですね。
一匹では寝るのも寒いし寂しかろうに。
悩みに悩みましたが、トイレットペーパーの筒に入った状態で
近くに餌と水を置いて、結局庭先に放しました。
翌日は日曜日でしたが、映画観ててもご飯食べてても
子ネズミの事が頭から離れません。
夜は寒かったし、トイレットペーパーの芯の中で
一人寂しく震えてるんじゃないかと思うと
あったかいご飯を食べてて切ない気持ちになりました。
月曜日、出社して庭に出ると
子ネズミはトイレットペーパーの芯から出た状態で死んでいました。
庭の隅に埋めた後泣きました。
結局また、中途半端に手を出して可哀相な事をしてしまったなぁ
と今でも暗澹とした気持ちになってしまいます。
■TSU■
コメントありがとうございます^^
よく気持悪がられてしまうネズミですが、可愛いですよね・・・!
あまりに可愛くて、この時は本当に困りました。
手を出してしまったからには最後まで面倒見てあげられたら良かったんですが・・・。
今思い出しても切ないです(ノω;`)